こんにちは。計測エンジニアリングシステム株式会社 -KESCO です。
この度、弊社では『マルチフィジックス有限要素解析シリーズ』と題した書籍企画を立ち上げました。
本シリーズでは、最先端の科学技術や教育に関するトピックをできるだけ分かりやすく解説するとともに、多様な分野においてマルチフィジックス解析ソフトウェアCOMSOL Multiphysics® がどのように利用されているかを紹介しています。
先行して発刊しました、弊社技術部による『次世代を担う人のためのマルチフィジックス有限要素解析』や、東京都市大学の平野択一先生による『有限要素法による電磁界シミュレーション』がご好評をいただいておりますため、この度シリーズ化することとなりました。
今回はその第1巻として2022年8月5日に発刊した、『資源循環のための分離シミュレーション』をご紹介いたします。こちらは、早稲田大学と東京大学の教授を兼担する所 千晴先生にご執筆いただきました。
本記事では、書籍の紹介のほか、過去にKESCOが所 千晴先生へインタビューさせていただいた際の動画を再掲いたします。併せてご覧ください。
書籍紹介
マルチフィジックス有限要素解析シリーズ1
資源循環のための分離シミュレーション
本書は、資源循環に寄与する各種分離操作の基礎原理とシミュレーションによる解析事例をまとめたものです。
それらの分離操作の社会実装先のイメージをお伝えするために、資源循環が重要視されるようになった昨今の社会の動向や各種分離操作の具体的な実用例についても記載しました。
また、高校生や学部生、あるいは文系出身の社会人の方々にも興味をお持ちいただけるように、個々の技術開発やシミュレーション開発が必要となる背景を丁寧に解説。
具体的な技術やシミュレーションの紹介では、可能な限り簡単な数式を用いた表現にとどめ、基礎を重視して記述しました。
資源循環分野では、環境負荷低減との両立を実現する技術やシステム革新がますます求められています。
本書を手に取られた方々が近い将来、そのような研究者や技術者を、あるいは様々な立場からその実現をサポートする人材を、目指してくださることを心より願っております。
目次
第1章 SDGsやカーボンニュートラルに大きく関係する資源循環
1.1 プラネタリー・バウンダリーとSDGs
1.2 カーボンニュートラルと資源消費
1.3 サーキュラー・エコノミーの概念
第2章 資源循環のための分離技術
2.1 金属資源開発と資源循環
2.2 カーボンニュートラルを支える分離技術の研究開発例
第3章 分離技術開発のための電磁界シミュレーション
3.1 電磁界シミュレーションの概要
3.2 電気パルス放電の基礎理論
3.3 リチウムイオン電池分離への活用事例
3.4 金属接着分離技術への活用事例
第4章 分離技術開発のための電流伝熱および応力シミュレーション
4.1 応力とひずみについて
4.2 電気パルスの電流伝熱シミュレーション,応力シミュレーション
4.3 接着体の接着強度に関する解析
4.4 界面分離のための衝撃波の圧力解析
第5章 分離技術開発のための粉体シミュレーション
5.1 粉体シミュレーションの概要
5.2 離散要素法の基礎方程式
5.3 離散要素法の計算アルゴリズム
5.4 離散要素法の適用事例
第6章 地球化学コードによる溶液反応シミュレーション
6.1 資源循環における溶液反応シミュレーションの用途
6.2 データベースの取り扱い方
6.3 閉鎖反応系における化学反応モデルの構築
6.4 開放試験系における化学反応モデルの構築
付録
A.1 COMSOL Multiphysics のチュートリアル
A.2 COMSOL Multiphysics のモデル開発GUI
書籍情報
著者:所 千晴、林 秀原、小板 丈敏、綱澤 有輝、淵田 茂司、髙谷 雄太郎
発行:近代科学社Digital
発売:近代科学社
発行日:2022/08/05
仕様:A5判・並製・モノクロ・本文222頁
基準価格:印刷版・電子版共に2,700円(税抜)
ISBN:978-4-7649-6044-2 C3042
amazonのほか、全国の書店・ネット書店にてお求めいただけます。
所 千晴先生ご紹介
早稲田大学 理工学術院 創造理工学部 教授
研究室Webサイト
1998年、早稲田大学理工学部卒業 2003年、東京大学大学院工学系研究科修了
2004年、早稲田大学助手に就任 専任講師、准教授を経て、2015年より現職
2016年から東京大学生産技術研究所特任教授を兼務
専攻分野は資源処理工学、環境浄化工学
現在、東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻 グローバル循環システム 教授
早稲田大学オープンイノベーション戦略研究機構
循環バリューチェーンコンソ―シアム(Circular Value Chain (CVC) Consortium)
https://www.waseda.jp/inst/oi/news/1389
所先生はこちらのコンソ―シアム発起人の一人としてご活躍中です。
KESCOは2022年10月からCVCコンソーシアムへ参加し、「ものの提供から機能の提供へ」という資源循環コンセプトのもと、マルチフィジックスに関するCAEシミュレーション分野で支援していきます。
インタビュー動画
前編
後編
本書籍の書評
資源・素材学会、粉体工学会、資源地質学会、化学工学会、日本地球化学会等の学会誌に掲載予定
大学図書館への寄贈
本書籍『資源循環のための分離シミュレーション』のほか、『次世代を担う人のためのマルチフィジックス有限要素解析』(弊社技術部執筆)、『有限要素法による電磁界シミュレーション』(東京都市大学 平野拓一先生執筆)の計3冊を、北海道大学、東北大学、東京大学、、東京工業大学、早稲田大学、慶應義塾大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の図書館に寄贈。
(既に図書館へ所蔵されている場合は寄贈しておりません。)