計測エンジニアリングシステム株式会社

CASES AND MATERIALS 事例/資料
  • TOP >
  • 事例/資料 >
  • 二周波励起容量結合プラズマシミュレーション
キーワード・条件で検索
この事例/資料はサブスク限定です

二周波励起容量結合プラズマシミュレーション

プラズマ(plas)インターフェースに基づくCCPシミュレーション

二周波励起容量結合プラズマ (CCP:Capacitively Coupled Plasma) 源は、高周波電極による高密度プラズマの生成・維持と低周波電極によるイオンエネルギーの独立した制御が可能であり、またエッチング形状において優れた面内均一性を実現できるエッチャーである。現在では、多層配線内の高アスペクト比トレンチの形成等、またMEMS加工分野における深掘りRIE (Reactive Ion Etching) 技術に広く用いられており、そのプラズマの構造と特性を正確に把握することは非常に重要である。
COMSOL容量結合プラズマ (CCP) 計算専用インターフェース (プラズマ (時間周期的) (ptp) )は、二周波励起CCPシミュレーションに対して以下の制限1)があるため、実現する可能性は非常に低い。

  1. COMSOLプラズマ (時間周期的)(ptp)インターフェースは、追加の次元で周期境界条件を利用するため、周波数はそれぞれの正確な整数倍のみにすることに限っている。
  2. 二周波励起CCPリアクターの場合は、高周波の周期ごとに追加の次元で最低30メッシュ要素を確保するために、低周波の周期に数多くのメッシュ要素が必要になる。2/60 MHzである場合は、追加の次元で900メッシュ要素が必要である。そのため、コンピュータの過剰なシステムメモリを要求することがあり、計算が困難になる。

そこで本例題は従来のCCPプラズマ計算用インターフェース(プラズマ(plas))を用いて、図1に示す軸対称二次元モデル2)での計算を行った。ガスはアルゴン、温度は300K, 圧力は0.5Torr、周波数は2と27 MHz、電圧振幅は高周波電極と低周波電極の両方に200V、プロッキングキャパシターは360pFである。
本書ではモデルおよび、図3の解析結果を作成する手順を示した。

   図1. 解析モデル

計算モデルは、電子、イオンと中性粒子の輸送、空間電荷場の計算方程式を連立して計算を行うが、紙数の都合でここではこれらの方程式の説明3)を省略する。電子輸送方程式におけるソース項には電子と分子や原子の衝突によって電子密度と電子エネルギーを変化することが含まれる。反応jの反応速度係数kjは次の式で示される。

ここで、εは電子エネルギー、σj (ε)は衝突断面積、f(ε)は電子エネルギー分布関数 (EEDF),qは電子の電荷,mは電子の質量である。考慮した化学種および化学反応は表1に示されている。

図2. COMSOLの非線形
時間依存ソルバー
図2. COMSOLの非線形 時間依存ソルバー


電子エネルギー分布関数はマックスウェル、プラズマを取り囲む壁にイオン衝突によって二次電子放出係数は0.15とする4)。二次電子平均エネルギーはオージェ電子放出原理に従って、ε=εiz-2εϕ5)により計算される。ここで、εizはイオン化エネルギー, εϕは仕事関数である。CCPプラズマシミュレーションは、高度な非線形解析なので、ここではソルバーの追加設定する必要であると考えられる。図2にCOMSOLの非線形時間依存ソルバーの強連成ソルバーの設定画面を示す。ヤコビアン更新は各タイムステップから「反復毎」に切り換えた。最大反復回数とトレランス因子も調整した。
図3に2/27 MHzの二周波励起周波数CCPシミュレーション結果を示している。HFサイクル数が1000とするLFサイクル数を74になり、計算はLF=75とした。計算時間は7時間19分でした。必要なメモリ容量は2GBのみであった計算用のパソコンスペックは以下の通りである。

 1. OS:WINDOWS10
 2. CPU:Intel(R)Xeon(R)CPU E5-1660 v2@3.70GHz
 3. メモリ(RAM)128GB

  図3. 2/27MHzの二周波励起周波数CCPシミュレーション結果

参考文献

1)COMSOL Multiphysics ver.5.6 – Plasma Module User’s Guide.
2)Z. Bi, Z. Dai, Y. Zhang, D. Liu, and Y. Wang, Effects of reactor geometry and frequency coupling on dual-frequency capacitively coupled plasmas, Plasma Sources Sci. Technol., 22, 055007 (2013).
3)放電・プラズマ気相シミュレーション技法調査専門委員会編,「放電・プラズマ気相シミュレーション技法:佟立柱,竹内希,3.3 COMSOL Multiphysics®を用いた非熱プラズマと熱プラズマの計算」,電気学会技術報告第1488号,pp. 70-74 (2020).
4)S. Song and M. J. Kushner, Role of the blocking capacitor in control of ion energy distributions in pulsed capacitively coupled plasmas sustained in Ar/CF4/O2, J. Vac. Sci. Technol. A, 32, 021306 (2014).
5)M. A. Lieberman and A. J. Lichtenberg, Principle of Plasma Discharges and Materials Processing, John Wiley & Sons, New York (1994).

*該当のCOMSOLモデルファイルと手順書をご要望のお客様は下記よりご請求ください。

この資料請求にはログインまたは会員登録が必要です。

キーワードで検索

条件で検索

COMSOL解析事例

COMSOL紹介( 導入/検討 )

計測