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ノズル噴流のシミュレーション

公開日:2021年12月16日

CFD解析のベンチマーク分析

噴流現象は、ノズル、スリットなどの小孔から速度を持った流体が空間中に噴出する現象であり、加熱・冷却、洗浄、消防、加工、噴霧、燃焼、など極めて多様な分野で使用されており工業的にも極めて重要な事象である。
ノズルによる噴流はノズル出口近傍の速度分布、拡がり、巻き込み特性、などの流動特性がノズル形状によって大きく影響される。そこで本例題は図1に示す四分円ノズルの軸対称円形ノズルを用い、圧縮性を考慮しなくてよい範囲で十分発達した乱流の場合(Re=1.5×1041)について、空気噴流を計算し、測定値と比較して噴流の流動特性を検討する。CRはノズル絞り面積比である。

  図1. ノズル形状

解析モデルは図2に示す。軸対称二次元モデルであり、直管部の長さL=500mm,\(L/d_o\)=50、ノズル出口からモデルの流出口までの距離は400mm,流出口幅は80.75mmである。温度は20℃,圧力は1atmである。
本書ではモデルおよび、図3の解析結果を作成する手順を示した。

  図2.解析モデル

計算には、${k}$-${ε}$乱流モデルを用いて圧縮流と非圧縮流を考慮する。レイノルズ数${Re}$は次の式で表される1)
 \(Re=u_m d_o/v\)   (1)
ここで、\(u_m\)はノズル出口平均速度、\(d_o\)はノズル出口直径、${v}$は動粘性係数である。本モデルは、流入口の流速が式(1)に示したノズル出口のレイノルズ数${Re}$により決まる。COMSOLスタディの補助スイープを用いて、Re=1.5×104に満たす流入口の流速\(u_m\)=2.565m/sを得た。
${k}$-${ε}$乱流モデルの支配方程式は次の式で示される。

   (2)

紙数の都合でここではこれらの方程式の説明を省略する。
COMSOLスタディの補助スイープによって、計算したノズル出口平均速度は以下のテーブルに示され、理論値とフィッティングしたことが明らかになった。

図3(a)にノズル噴流の軸対称二次元モデルの計算結果の3D表示である。最大の流速は24.8 m/sになった。測定値1)と比較した結果は図3(b)に示され、大体一致することが分かった。

  図3. ノズルの噴流速度および測定値との比較

参考文献

1)鬼頭みずき,社河内敏彦,軸対称噴流の流動特性に対するノズル形状の影響 奈良工業高等専門学校研究紀要 , No.45, pp.19-24 (2009).

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