【セミナー背景】
国は「量子技術イノベーション戦略」を令和2年1月21日に発表しました。内容は、量子技術を、経済・社会のコア技術とし、我が国の強みを生かして、国が抱える課題の解決をし、持続的な成長に結びつけるものです。特に、その実現の主要技術に、量子コンピュータ・量子シミュレーションが位置づけられています。
既に、何社かの企業が、アニーリング型の商用化を試みていますが、最終的には、万能型の量子コンピュータが望まれており、その物理系では、超伝導量子ビットが有望視されています。弊社では1999年、超伝導量子回路で量子ビットを世界に先駆けて、中村泰信先生とともに開発した蔡兆申先生(理化学研究所 チームリーダー、東京理科大学教授)を外部講師に招き以下の内容でお話を頂きます。
(1)世界において、超伝導の巨視的量子状態を使った量子回路を実現するための取り組み
(2)数ある量子コンピュータの実現の基盤となりうる物理系の中でも、超伝導量子回路の優れた点
(3)量子ビットの仕組みから、集積化やアルゴリズム実装等、最近の研究成果まで、その発展の歴史も含めた紹介等
【サマリー】
超伝導現象は巨視的な量子状態
このような状態は、精巧に設計された超伝導回路において「量子コヒーレント」に振る舞います。これは二つの状態を同時に表すという、大変奇妙な量子力学の特性を反映したもので、この基本回路は量子ビットと呼ばれており、量子ビットを集積化することで、量子コンピューターと呼ばれる、現代のコンピューターの能力をはるかに凌駕する計算機へ向けた研究が世界的に進められています。講演では超伝導の巨視的量子状態を使った量子回路を如何に実現し、量子コンピューターの実現に向け、世界中で如何に取り組まれているかを解説します。
超伝導量子回路を用いた量子ビットの歴史
1999年NECのグループが世界に先駆け発表してから今日まで目覚ましい進歩を遂げています。万能型と呼ばれる量子コンピューターは、因数分解や探索問題、量子シミュレーションといった問題の重ね合わせと、干渉効果を利用することで高速に解くことができると理論的に示されています。これらの問題は古典コンピューターでは効率的に解くことのできないものであります。
数ある量子コンピューターの基盤となりうる物理系
その中でも、超伝導量子回路は集積可能性と設計自由度が非常に高く、かねてより量子コンピューター素子の第一候補として有望視されてきました。1999年当初コヒーレンス 時間がナノ秒にも満たなかったことは、超伝導素子の懸念材料でありましたが、現在ではミリ秒に達しています。また、近年GoogleやIBM、Intel等大企業の研究グループが次々に、数十量子ビット規模の回路の作製報告を出しており、量子コンピューターの古典コンピューターに対する優位性が明確に示される日も近いでしょう。
超伝導量子ビットが初めて実現した20年ほど前を思い起こす
当時は「量子コンピューター」という概念は大変希薄なものでありました。登山に例えれば、そこに登るべき山があるのかどうかさえ、深い霧にさえぎられて分からない時期が長く続きました。しかしその後濃霧はみるみる晴れ、その輝かしい山頂と、そこへたどり着くまでの道のりの厳しさも、次第にはっきりと見えてきて、登山道に沿って我々は当初には想像もつかなかった速いペースで現在進んでいます。一歩上に登るにつれ、眼下に広がる量子の世界も、より遠くまで見渡せるようになりました。願わくは、さらなる重装備で身を固め、量子力学の高貴な山頂に向かい、ペースを維持して前進し続けたいものです。
この講演では、次世代の社会を支え、人類史の発展に大きく貢献するであろう量子コンピューターが、どのような物理と技術を用いて成されるのか、量子ビットの仕組みから集積化やアルゴリズム実装等の最近の研究成果まで、その発展の歴史に添って紹介していきます。
【こんな方におすすめ】
- 電気電子、化学素材、自動車、国研などの研究開発者
- 大学等関係者
【講師ご紹介】
蔡 兆申 先生 所属 略歴 受賞歴 |
【Information】
開催日時 | 2021年11月5日(金)13:30-14:40 |
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所要時間 | 70分(質疑応答10分含む) |
開催方式 | オンライン |
受講環境 | Microsoft Teams |
定員人数 | 100名 ※増枠の可能性あり |
申込期限 | 2021年10月28日(金)17:00 まで |
参加費用 | 無料 |
備考 |
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