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Linux®マシンにインストールされているCOMSOL6.2ライセンスマネージャーをサービスとして設定する方法[6261]

最終更新日:2024年11月29日

【質問】

Linux®マシンにインストールされているCOMSOL6.2ライセンスマネージャーをサービスとして設定する方法を教えてもらえないでしょうか。

 

【回答】

ここでは以下を想定したセットアップ手順を説明いたします。

想定

1. ハードウェア

【1.1】 特にありません。

2. ネットワークおよびセキュリティ

【2.1】 LANもしくはインターネットにアクセスできます。
【2.2】ファイアウォールは有効にしておりません。

3. OS

【3.1】 インストール先のプラットフォームはLinux®です(Windows®ではありません)。

【3.2】 インストール作業を行うユーザーアカウントは下記の権限を持っております。

【3.2.1】 rootになることができます。

【3.2.2】 root権限のコマンド(sudo)を実行できます。

【3.3】 Linux Standard Base(LSB™)をインストール済みです。

4. COMSOL Multiphysics®およびCOMSOLライセンスマネージャーについて

【4.1】 指定されたバージョンは 6.2 (Update3もしくはビルド415) です。

【4.2】 過去バージョンは 6.1 (Update3もしくはビルド357) とします。

【4.3】 指定されたバージョンもしくは過去バージョンのCOMSOL Multiphysics®およびCOMSOLライセンスマネージャーはセットアップ済みであり、インストールディレクトリは下記の通りです。(注意1)

/usr/local/comsol##/multiphysics

【4.4】 COMSOL Multiphysics®およびCOMSOLライセンスマネージャーのインストール状態は下記の3つを想定します。

【4.4.1】 指定されたバージョンのCOMSOLライセンスマネージャーをインストール済みですが、サービスはセットアップしていないため、OSを起動するたびにCOMSOLライセンスマネージャーを手動で起動しております。

  1. 今回、指定されたバージョンのCOMSOLライセンスマネージャーのサービスを手動でセットアップします。

【4.4.2】 指定されたバージョンのCOMSOL Multiphysics®が複数インストールされている環境において、COMSOLライセンスマネージャーをサービスとしてセットアップしたCOMSOL Multiphysics®をアンインストールしました。その結果、当該サービスが存在しない状態になっております。

  1. 今回、指定されたバージョンのCOMSOLライセンスマネージャーをサービスとして手動でセットアップします。

【4.4.3】 過去バージョンのCOMSOL Multiphysics®と指定されたバージョンのCOMSOL Multiphysics®がインストールされている環境において、指定されたバージョンのCOMSOL Multiphysics®をアンインストールしました。その結果、COMSOLライセンスマネージャーのサービスが存在しない状態になっております。

  1. 今回、過去バージョンのCOMSOLライセンスマネージャーをサービスとして手動でセットアップします。

[注意1]
指定されたバージョンや過去バージョンである二けたの数値(例:62や61もしくは6.2や6.1)を ## と表記しますので、以降は読み替えてください。

手順の概要

  1. COMSOLライセンスマネージャーの実行状態を確認します
  2. COMSOLライセンスマネージャーおよびライセンスファイルの所在を確認します
  3. COMSOLライセンスマネージャーをサービスとして手動でセットアップします
  4. COMSOLライセンスマネージャーの実行状態を確認します

1. COMSOLライセンスマネージャーの実行状態を確認します

【1.1】COMSOLライセンスマネージャーの実行状態を確認します。

  1. Linux®マシンにログインし、ターミナル(端末)を起動します。

    図1-1 ターミナル画面

  2. ターミナルで下記コマンドを実行します。
    コマンド例:$ ps -aux | grep comsol | grep lmgrd

    図1-2 psコマンドの結果

    [コメント]
    COMSOLに関連するlmgrdとLMCOMSOLのプロセスが表示されていない場合、COMSOLライセンスマネージャーが起動していないと判断します。

【1.2】COMSOLライセンスマネージャーサービス(lmcomsol.service)の登録状況を確認します。

  1. サービスをリスト表示するため、下記コマンドを実行します。
    コマンド例:$ sudo systemctl list-unit-files --type=service | grep lmcomsol

    図1-3 systemctlコマンドによるサービス一覧

    [コメント]
    lmcomsol.serviceが表示されない場合、COMSOLライセンスマネージャーがサービスとして登録されていないと判断します。

2. COMSOLライセンスマネージャーおよびライセンスファイルのインストールディレクトリを確認します

【2.1】 COMSOLライセンスファイル(ファイル名:license.dat)が所定の場所に格納されている場所を確認します。(注意1)

コマンド例:
$ cd /usr/local/comsol##/multiphysics/license
$ ls

図2-1 COMSOLライセンスファイルの格納場所

[注意1]
##は指定されたバージョンの数値に変更します。

【2.2】 下記のディレクトリに移動し、COMSOLライセンスマネージャー(lmgrdやLMCOMSOL等)が格納されている場所を確認します。

コマンド例:
$ cd ./glnxa64
$ ls

図2-2 COMSOLライセンスファイルとCOMSOLライセンスマネージャーの格納場所

3. COMSOLライセンスマネージャーをサービスとして手動でセットアップします

COMSOLライセンスマネージャーをサービスとしてセットアップするには、下記ファイルを編集し、適切な場所にコピーした上、systemctlコマンドを実行します。下記パスの##は指定されたバージョンの数値に変更します。

ファイル:/usr/local/comsol##/multiphysics/license/glnxa64/lmcomsol.service

【3.1】上記のlmcomsol.serviceファイルをroot権限で編集するため、お手持ちのテキストエディター(例:viやnano、vim、geditなど)で読み込みます。(注意1)

コマンド例:
$ cd /usr/local/comsol##/multiphysics/license/glnxa64
$ sudo nano ./lmcomsol.service

◇lmcomsol.serviceファイル


# Copyright (c) 1994-20** by COMSOL AB

[Unit]
Description=COMSOL License Manager
Wants=network.target network-online.target
After=network.target network-online.target

[Service]
Type=forking

# Update the path to lmgrd, license.dat and comsol.log in case you have
# different locations for these files.

ExecStart=/usr/local/comsol##/multiphysics/license/glnxa64/lmgrd -c /usr/local/comsol##/multiphysics/license/license.dat -L /tmp/var/comsol##.log

# Optionally, uncomment the #User= line below and replace
# ‘username’ with an actual username. Preferably do not
# use ‘root’ – instead, use the account used to install
# COMSOL, or another account with access to both the lmgrd
# executable and the log file location above.

#User=username
#Group=group
LimitNOFILE=65000
TimeoutSec=300

[Install]
WantedBy=multi-user.target

# Create a /usr/tmp directory if it does not exist and set its permissions
# to 1777 with the ‘chmod 1777 /usr/tmp’ command (without the quotes).
#
# Copy this file to /usr/lib/systemd/system/ and run the
# ‘systemctl enable lmcomsol’ and ‘systemctl start lmcomsol’
# commands (without the quotes) to activate the license manager.

図3-1 テキストエディタ(nano)の起動

図3-2 nanoのGUI画面

[注意1]
##は指定されたバージョンの数値に変更します。

【3.2】lmcomsol.serviceファイルを編集します。

  1. 14行目「ExecStart=」に注目します。書式は下記の通りです。(注意1)
    1. 14行目:ExecStart=/usr/local/comsol##/multiphysics/license/glnxa64/lmgrd -c /usr/local/comsol##/multiphysics/license/license.dat -L /tmp/var/comsol##.log
    2. 書式:ExecStart=[デフォルトパスのlmgrd] -c [デフォルトパスのライセンスファイル] -L [絶対パスのデバッグファイル]
  2. 上記書式に沿って、次の1.と2.を編集します。
    1. 手順【2.1】手順【2.2】で確認した「lmgrd」と「license.dat」のインストールディレクトリに変更します。
    2. 「デバッグファイル」のディレクトリ(/tmp/var/comsol##.log)が存在するか否かを確認します。ディレクトリが存在しない場合、/var/tmp/comsol##.logに変更します。(注意1) 上記書式に沿って、次の①と②を編集します。
  3. 22行目「#User=username」は、コメントアウトされておりますので、COMSOLライセンスマネージャーはrootで実行する設定となります。(注意2)
    1. 22行目:#User=username
    2. 書式:#User=[サービスを実行するユーザーアカウント]
  4. ファイルを保存し、テキストエディターを終了します。
    [注意1]
    ##は指定されたバージョンの数値に変更します。
    [注意2]
    セキュリティの観点から通常はrootで実行すべきではないとされております。もし、root以外のユーザーアカウントで実行したい場合、この行のコメントアウトを外し、username を実際のユーザーアカウントに変更します。

【3.3】lmcomsol.serviceファイルをsystemdが管理する場所にroot権限でコピーします。(注意1)

コマンド例:
$ cd /usr/local/comsol##/multiphysics/license/glnxa64
$ sudo cp ./lmcomsol.service /usr/lib/systemd/system/

図3-3 lmcomsol.serviceファイルのコピー

[注意1]
##は指定されたバージョンの数値に変更します。

【3.4】OSを起動する際、COMSOLライセンスマネージャーが自動的に起動できるよう、下記コマンドをroot権限で実行します。

コマンド例:
$ sudo systemctl enable lmcomsol
$ sudo systemctl start lmcomsol

図3-4 サービスのアクティブ化およびサービスの起動

4. COMSOLライセンスマネージャーの実行状態を確認します

【4.1】COMSOLライセンスマネージャーの実行状態を確認します。

  1. ターミナルで下記コマンドを実行します。
    コマンド例:$ ps -aux | grep comsol | grep lmgrd

    図4-1 実行中のプロセス

    [コメント]
    COMSOLに関連するlmgrdとLMCOMSOLのプロセスが表示される場合、COMSOLライセンスマネージャーが起動していると判断します。

  2. 別の方法として下記コマンドでサービスの実行状態を確認できます。
    コマンド例:$ systemctl status lmcomsol

    図4-2 サービスの実行状態

【4.2】COMSOLライセンスマネージャーサービス(lmcomsol.service)が登録されていることを確認します。

  1. 登録されているサービスをリスト表示するため、下記コマンドを実行します。
    コマンド例:$ sudo systemctl list-unit-files --type=service | grep lmcomsol

    図4-3 サービス一覧

    [コメント]
    lmcomsol.serviceが表示される場合、COMSOLライセンスマネージャーがサービスとして登録されていると判断します。

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