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書籍案内:シミュレーションで見るマイクロ波化学 ~カーボンニュートラルを実現するために~

概要

本書は、化学あるいはほかの分野の開発研究者の方々が、ご自分の化学反応系のマイクロ波技術を導入したいとお考えになったときに、まずはその基本を理解するためにお読みいただきたいと考えて執筆されました。

マイクロ波化学とは、電磁波であるマイクロ波をエネルギー源として化学反応系に注入し化学反応を駆動・制御する化学分野であり、従来の伝統的化学とは一線を画す新規な分野です。このマイクロ波化学という分野を理解し、マイクロ波エネルギーを使って化学反応を操るには、化学反応理論の知識と理解だけでなく、電磁波工学の基礎知識と利用技術の理解が欠かせません。

第1~3章で化学基礎の見直しと新しいマイクロ波化学への考え方の方向付けをしていただき、第4,5章および付録で具体的なシミュレーション方法を解説しています。

本書がマイクロ波化学を導入するための入門書となれば幸いです。

書籍情報

【シリーズ名】マルチフィジックス有限要素解析シリーズ 第4巻
【書名】シミュレーションで見るマイクロ波化学 ~カーボンニュートラルを実現するために~
【著者】藤井 知・和田 雄二
【仕様】A5版・印刷版モノクロ/電子版一部カラー、本文218ページ
【発行】近代科学社Digital
【発売日】 2023年11月24日

マルチフィジックス有限要素解析シリーズ

本シリーズでは,最先端の科学技術や教育に関するトピックをできるだけ分かりやすく解説するとともに,多様な分野においてマルチフィジックス解析ソフトウェア COMSOL Multiphysics® がどのように利用されているかを紹介します。

主要目次

第1 章 マイクロ波技術のための化学の基本
第2 章 化学平衡と化学反応速度
第3 章 マイクロ波はどのように物質と相互作用するか?
第4 章 マイクロ波工学
第5 章 マイクロ波化学におけるシミュレーション

著者紹介

藤井 知
1985年 筑波大学第三学群基礎工学類変換工学専攻 卒業
1987年 筑波大学大学院理工学研究科修士課程物質工学専攻修了
1987年~2009年 住友電気工業株式会社及びセイコーエプソン株式会社
2007年 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程材料科学専攻修了
2009年 千葉大学 産学連携知的財産機構 特任教授
2014年 東京工業大学大学院物質理工学院応用化学専攻 特任教授
2015年 沖縄工業高等専門学校情報通信システム工学科 教授
2021年 豊橋技術科学大学学院工学研究科電気・電子情報工学系・教授
2023年 (独)物質・材料研究機構 特別研究員
論文等 藤井知 他 「ダイヤモンドSAWデバイスのその後の進展」,NEW DIAMOND Vol.25, No.2, pp.19-25, 2009、藤井知,和田雄二,他 「超省エネ型マイクロ波マグネシウム製錬技術」,アルトピア,vol.8, No.8, Aug., pp.9-16, 2017など

和田 雄二
1977年 東京工業大学工学部化学工学科卒業
1982年 東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻博士後期課程修了
ドイツマックスプランク協会フリッツハーバー研究所客員研究員,アメリカ合衆国南イリノイ大学博士研究員を経て,1985年 東京工業大学助手,1991年 大阪大学講師,助教授,2006年 岡山大学教授,2007年 東京工業大学教授,2016-2019 同大学大学物質理工学院長,2020年 定年退職により東京工業大学名誉教授,2020年 東京工業大学科学技術創成研究院特任教授,国際先駆機構特任教授ならびにマイクロ波化学(株)フェロー・基盤研究室長
2023年10月より一般社団法人ZeroC代表理事
その間,中華人民共和国江蘇大学客員教授(2004),西南科技大学客員教授(2016)。
著書:Chapter Two – Activation of chemical reactions on solid catalysts under microwave irradiation, Microwaves; Ultrasounds; Photo- and Mechanochemistry and High Hydrostatic Pressure, Green and Sustainable Chemistry, ed. by Béla Török and Christian Schäfer, 2021, Elsevier Inc.,ISBN978-0-12-819009-8.

まえがき

▼日本学術振興会 産学協力委員会R024委員長の和田東工大名誉教授の【まえがき】から抜粋:

本書は、化学あるいは他の分野の開発研究者の方々が、ご自分の化学反応系にマイクロ波技術を導入したいとお考えになったときに、まずはその基本を理解するためにお読みいただきたいと考えて、執筆しました。

SDGsやカーボンニュートラルなど、将来に向けて社会のあり方を作り直すための方法が世界中で論じられ、具体策立案を迫られて現在、化学技術の根幹である化学反応プロセスの駆動と制御の新しい技術として、マイクロ波化学への考え方の方向付けをしていただき、後半でマイクロ波工学基礎を学ぶことによって、マイクロ波化学の入り口に立っていただければと思っています。

特に、第4章と第5章では実際に講義で使っていた資料を中心にまとめており、電気系の高専生や大学3年生程度の初学者でも理解できるよう、特につまずきやすい部分を中心に執筆しています。また、COMSOL Multiphysicsの具体的な操作方法などを付録で解説しています。

                                        2023年11月
                                         著者一同

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