計測エンジニアリングシステム株式会社

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チュートリアル

汎用711カプラー 閉塞性外耳道シミュレータ

これは汎用外耳道シミュレーター (またはカプラー) のモデルです。現実のカップラーは標準化された人間の外耳道の音響をシミュレートするために使用され、あらゆる種類のデバイスの測定に使用できます。それらは補聴器業界で広く使用されており、3Dサウンドを記録するためのあらゆる種類の音響マネキンの外耳道としても使用されています。モデルの結果はIEC標準曲線および純粋な圧力音響モデルで得られた結果と比較されます。

*本解説は、COMSOL社のサイトから提供されているアプリケーションギャラリの例題モデルをポイント解説したものです。実際のモデルファイルやモデルの説明書はCOMSOL社のサイトからダウンロードしてください。
関連モデルファイル:https://www.comsol.jp/model/generic-711-coupler-8212-an-occluded-ear-canal-simulator-12227

解説動画はこちら(7:32秒)

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バルク型全固体電池の充放電解析モデル ~ベンチマーク シミュレーション~

近年、全固体リチウムイオン電池の研究がさかんに行われている。電解液を用いた従来のリチウムイオン二次電池との違いは固体電解質である。全固体リチウムイオン電池では、電極活物質内のLiが固固界面における挿入・脱離反応および固体電解質中のLi+が輸送して、対極へ輸送されることで充放電が実現される。固体電解質におけるLi+は格子欠陥を介してホッピングして移動する。単一イオン電解質とも呼ばれる。電荷的中性条件に従い、固体電解質内のLi+濃度は

\(\frac {∂c_l}{∂t}=0\)

である1)

全固体電池はバルク型全固体電池と薄膜型全固体電池に大別されている。この計算例は、単一イオン伝導性電解質理論に基づいて、COMSOL Multiphysics®によるバルク型全固体電池の解析を行う。放電曲線の計算結果を試験値と比較することで、単一イオン伝導性電解質理論がバルク型全固体電池の解析に適することを考察する。

本書では解析モデルおよび、図2の解析結果を作成する手順を示した。

図1. カソード構造および解析モデル2)-4)
図2. バルク 型全固体電池の充放電曲線

計算ジオメトリは、図1に示すような、正極をLiNbO3-LiCoO2、負極をLi、固体電解質をLi9.6P3S12とする全固体電池の1Dベンチマークモデルである。正極におけるリチウム挿入脱離反応は、以下のように考慮される。

\({\rm Li}_{1-x} {\rm CoO}_2+x{\rm Li^+}+xe^-{{\underrightarrow {discharge}}\atop{\overleftarrow {charge}}}\rm LiCoO_2\)

この電極反応に対するバトラー・ボルマー式は以下のように示される。

\(i_{\rm loc}=i_0 \left\lbrack {\rm exp}\left( \frac {α_aFη}{RT}\right)-{\rm exp}\left( \frac {-α_cFη}{RT}\right)\right\rbrack,~i_0=i_{0,ref}(T)(\frac {cs}{cs,{\rm ref}})^{α_c}(\frac {c_{s,{\rm max}-cs}}{c_{s,{\rm max}}-c_{s,{\rm ref}}})^{α_a,}\)

\(c_{s,{\rm ref}}=c_{s,{\rm max}}/2\)

ここで、\(i_{\rm loc}\)は電荷移動反応電流密度、\(α_a\)と\(α_c\)はそれぞれアノードとカソードの電荷移動係数、\(F\)はファラデー定数、\(R\)は気体定数、\(T\)は温度である。\(η=Φ_s−ΔΦ_{\rm s,flim}−Φ_l−E_{\rm eq}\)は過電圧であり、電極電位\(Φ_s\)から 電解質電位\(Φ_l\)平衡電位\(E_{\rm eq}\)および薄膜電圧\(ΔΦ_{\rm s,flim} \)を引いたもので定義される。\(i_0\)は交換電流密度 \(i_{\rm 0,ref}\) はNernst式で示した基準平衡電位に対する交換電流密度である。\(c_s\)は正極内のLi濃度、\(c_{s,{\rm max}}\)はLiの最大濃度である。

LiCoO2電極活物質粒子表面のLiNbO3薄膜電圧\(ΔΦ_{\rm s,flim}\)の計算は以下の設定で行われる。

Li負極表面の電極反応は次式で考慮される。

\({\rm Li}{{\underrightarrow {discharge}}\atop{\overleftarrow {charge}}}{\rm Li^+}+e^-\)

バトラー・ボルマー式は以下のように示される。

\(i_{\rm loc}= i_0 \left\lbrack {\rm exp}\left( \frac {α_aFη}{RT}\right)-{\rm exp}\left( \frac {-α_cFη}{RT}\right)\right\rbrack,~i_0=i_{0,ref}(T)\)

LiCoO2電極における活物質粒子中のLi輸送計算は電池の空間次元の上にCOMSOLの余剰次元1Dで行われる。

\(\frac {∂c_s}{∂t}+∇・(-D_s∇c_s)=0\)

\(\eqalign{ \frac {∂c_s}{∂_r}|_{r=0}&=0\cr
-D_s \frac {∂c_s}{∂r}|_{r=1}&=-i_{loc}/F}\)

ここで、\(D_s\)はLi拡散係数、\(r\)は余剰次元1Dの正規化された座標である。\(r=0\)は活物質粒子中心、\(r=1\)は活物質粒子表面と表される。

電解質と正極内の電流分布は以下の電流保存式を解く。

\(\eqalign{
∇・{\bf i}_l=Q_l&,~∇・{\bf i}_s=Q_s\cr
{\bf i}_l=-σ_l∇Φ_l&,~{\bf i}_s=-σ_s∇Φ_s}\)

ここで、\(σ_l\)と\(σ_s\)はそれぞれ電解質と正極の導電率、\(Q_l\)と\(Q_s\)はソース項である。

図2にバルク型全固体電池のベンチマーク解析結果を示している。充放電曲線の計算値は試験値2)と一致したことで、単一イオン伝導性電解質理論がバルク型全固体電池の解析に適することは明らかにされた。

参考文献

1) N. Wolff, F. Roder, U. Krewer, Model based assessment of performance of lithium-ion batteries using single-ion conducting electrolytes, Electrochim. Acta, 284(10), 2018: 639-646.
2) Y. Kato, et al., High-power all-solid-state batteries using sulfide superionic conductors, Nature Energy 1, 2016: 16030.
3) P. Braun, Assessment of all-solid-state lithium-ion batteries, Journal of Power Sources, 393, 2018: 119–127.
4) H. Yu, et al., Lithium-conductive LiNbO3 coated high-voltage LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2 cathode with enhanced rate and cyclability, Green Energy & Environment, 7(2), 2022: 266-274.

*該当のCOMSOLモデルファイルと手順書をご要望のお客様は下記よりご請求ください。

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犠牲陽極による電気防食解析モデル ~地下貯蔵タンクの電気防食解析例~

ガス・水道・工場などのパイプライン、地下タンク、基礎杭など広範囲に防食技術が活用されている。電気防食には、マグネシウム合金陽極を使用した流電陽極方式や、直流電源装置を使用した外部電源方式がある。
流電陽極方式はマグネシウム合金陽極または亜鉛合金陽極が用いられる。通常、自然電位がよりマイナスの値を示すマグネシウム合金が高い土壌抵抗率の環境で有効であるので用いられる。流電陽極方式の電気防食システムの設計は、通常、定常状態によってシステムの耐用年数の間に設計パラメーターが一定であると見なされている。しかしながら、実験的観察により、電気防食は過渡的過程であることが分かっている。これによって、実際には事前に設計したパラメーター値から逸脱する可能性があり、時間にかけて埋設物の腐蝕保護は不十分になる。
新設の地下貯蔵タンクの腐蝕保護は防食電流密度を選定しタンクの面積によって、所要防食電流を算出する。それによって、要求される陽極の寸法と数は要求される寿命と陽極タイプによって選定される。そこで本例題は、地下貯蔵タンクの保護面によって電気防食を実現できる陽極の寸法と数を算出し、地下貯蔵タンクの保護面の電位分布変化、過渡的な犠牲陽極の寿命などを検討する。

電気防食システム容量は次式で表される1)

\(Q_{cp}=I_{cp}×t_f\) (1)

ここで\(Q_{cp}\)は電気防食システム容量、\(I_{cp}\)は要求される防食電流、\(t_f\)は定格寿命である。図1に示した長さ8m、直径2.5mである地下貯蔵タンクのモデル表面積は76.4m2である2)、電気防食システムにおけるカソード表面に酸素還元反応に満たす電流密度は10mA/m2が必要であるため、\(I_{cp}\)=0.764Aである。\(t_f\)=30yrであり、\(Q_{cp}\)は22.9A-yrになる1)

図1. 計算モデルの概要

要求される犠牲陽極の質量は式(2)で求まる。

\(m_a=Q_{cp}/(Q_a×E×U)\)  (2)

ここで\(m_a\)は犠牲陽極の質量、\(Q_a\)は犠牲陽極の理論容量、\(E\)は電流効率、\(U\)は利用率である。犠牲陽極の特性は表1に示す。図1に示した直径16cm、長さ24.4cmである円筒形の陽極を考慮する。個数は24である。100mVの陰極分極基準によれば、貯蔵タンクの保護面における-0.8V以上の電位を示す領域は完全に保護されることは知らせている1)。これによって、図1に示したように犠牲エッジ陽極の分布は地下貯蔵タンクの腐蝕保護を完全に実現するように設定される。

MaterialTheoretical
(A-hr/kg)
Current
efficient
Utilization
factor
Equilibrium
potential
(V \(vs\) CSE)
Density
(kg/m3)
Magnesium
High Potential
220550%85%-1.75V1820
表1. Sacrificial anode characteristics1)3)

計算は、3次元モデルを用いて行った。COMSOL腐食解析モジュールの陰極防食インターフェースを使って、犠牲エッジアノードの設定は以下のように示される。

犠牲エッジ陽極ノードでは、腐蝕保護用の棒状の溶解金属電極をモデル化し、3Dジオメトリのエッジに定義される。電気化学反応はエッジの周りの特定の半径で考慮される。犠牲エッジ陽極の半径\(r\)と容量\(Q\)は次式で求められる。

\(\frac{dQ}{dt}=∇_t・(-D∇_tQ)-i_{\rm tot,edge}\)
\(r=\sqrt{\frac {Q}{Q_0}\langle r^2_0-r^2_{end}\rangle +r^2_{end}}\)    (3)

ここで\(Q_0\)は初期容量、\(D\)は拡散係数、\(i_{\rm tot,edge}\)犠牲エッジ陽極の総界面電流密度である。下付き文字\(t\)はエッジ接線方向を意味する。腐食により犠牲エッジ陽極が減肉するとともに エッジに沿って渡された電荷の総量を追跡する。初期容量はエッジ初期半径と一致している。エッジ終端半径に達すると、容量はゼロになると設定される。

土壌抵抗率は40 Ω・mとする1)。カソードとアノードの電極表面反応は、カソードにターフェル式、アノードに線形化バトラーボルマー式を利用する。計算用のパラメーターは表2に示す。

ElectrodeExpressionExchange
current
density
(A/m2)
Tafel
slope
(V \(vs\)
CSE)
Anodic and
cathodic
transfer
coefficients
Equilibrium
potential
(V \(vs\) CSE)
CathodeTafel0.001-0.16-0.7V
AnodeLinearized
Butler-Volmer
0.10.5, 0.5-1.75V
表2. Parameters for electrode reactions1)

本書では解析モデルおよび、図2と図3の解析結果を作成する手順を示した。
計算は40yrsまで実施した。電極電位を図2に示す。32yrs後の電極電位は、-0.8Vに不満になった箇所があるため、腐蝕保護は不十分であると考えられる。犠牲エッジ陽極の容量の経時変化を図3に示される。貯蔵タンク表面に近づいたエッジ陽極の容量は貯蔵タンク表面に離れたエッジ陽極より3yrs早く、32yrsに初期容量の1%になり、枯渇したことが示された。

図2. 電極電位
図3. 犠牲陽極の寿命

参考文献

1) A. Mansouri, A. E. Binali, N. Khan, et al., Three-dimensional modeling of in-ground cathodic protection systems with deforming anodes, Sci. Rep.11, 2021: 1894.
2) M. Attarchi, A. Brenna, M. Ormellese, Cathodic protection design optimization of a buried vessel by FEM simulation, Mater. Corros. 71, 2020: 1651-1659.
3) B. N. Popov, S. P. Kumaraguru, Handbook of Environmental Degradation of Materials,Cathodic Protection of Pipelines, 2012:771–798.

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チュートリアル

集中熱系を用いた複合断熱材モデリング

この例は、COMSOL Multiphysics®の伝熱モジュールを使用し、複合熱バリアーチュートリアルの変形版であり、2つの異なる方法で異なる熱伝導率を持つ複数のサンドイッチ薄層を設定する方法を示しています。
まず、複合体は3D オブジェクトとしてモデル化されます。
2番目のアプローチでは、熱回路モデリングを使用して薄いドメインを分解することを避けるために、集中熱系フィジックスインターフェースが使用されます。

*本解説は、COMSOL社のサイトから提供されているアプリケーションギャラリの例題モデルをポイント解説したものです。実際のモデルファイルやモデルの説明書はCOMSOL社のサイトからダウンロードしてください。
関連モデルファイル:https://www.comsol.jp/model/lumped-composite-thermal-barrier-75631

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チュートリアル

静磁場中の磁気透過性球体

比透磁率が1より大きい球体が空間的に均一で静的な背景磁場にさらされます。
この問題を解くために、 COMSOL Multiphysics®のAC/DCモジュールを使用し、2つの定式化を使用して、これらの違いについて説明します。球内の電界強度を計算し、解析解と比較します。

*本解説は、COMSOL社のサイトから提供されているアプリケーションギャラリの例題モデルをポイント解説したものです。実際のモデルファイルやモデルの説明書はCOMSOL社のサイトからダウンロードしてください。
関連モデルファイル:https://www.comsol.jp/model/magnetically-permeable-sphere-in-a-static-magnetic-field-12735

解説動画はこちら(10:26秒)