講演概要
本講演では、東大機械系新井研究室で進めてきた、水晶振動子(QUARTZ QCRYSTAL RESONATOR)を用いたメディカル、バイオセンシングデバイス開発における、COMOSOL有限要素解析について、その実例と応用事例を説明します。
水晶振動子は、高精度なクロックリソースとして現在あらゆる民生機器に組み込まれており、現代の通信の屋台骨となる技術です。さらに高精度な出力信号という特徴を活かして、様々な計測にも応用されております。弊所では水晶振動子を力センサ、ひずみセンサとして利用する方法を提案し、医療、バイオ目的の応用を様々開拓してきました。昨今、水晶振動子が安価で簡単に手に入るようになったため、水晶を用いたセンシングデバイスの研究開発や実証については、非常に手出しがしやすくなりました。反面、高精度、あるいは極限精度の計測に用いるためには、圧電結晶材料である水晶振動子の特性をよく理解し、その性能を引き出すための工夫が必要になります。とりわけ、水晶は機械振動系を含みますので、スプリアスや非同次高調波などの不要振動を誘起する特徴があり、いささか「取り扱いの難しい子」としての側面が強くあります。また、本気でデバイス開発に取り組む場合、水晶ウェハ調達コストや振動子用の電極の成膜などにコストが嵩むため、トライアンドエラーによる場当たり的な開発は適当ではないでしょう。さらに、低周波とは言い切れない周波数帯域を取り扱うため、専門的な計測機器を持っていない限りは、試作機の性能実測において、性能を律する問題が顕在化しにくいことも考えられます。
このように本気で取り掛かる際の試作、評価のコストは非常に大きく、そのコストをいかに計算リソースで抑制していくかが、一つの重要な鍵となります。そこで、水晶振動子の基礎、原理から、圧電特性解析を説明する手段を説明するとともに、過去のバイオメディカル目的の研究事例の紹介や今後の展望について、弊所の取り組みを説明いたします。
こんな方におすすめ
- 圧電振動子を用いたセンサの設計、ならびに特性評価のヒントを得たい方
- バイオメディカル、診断のデバイスについて、インスピレーションがほしい方
- そもそも水晶振動子を用いたセンサってなんですか?なにが測れるのですか?という方
講師紹介
杉浦 広峻 先生
東京大学 工学系研究科機械工学専攻 助教
Information
開催日時 | 2023年7月21日(金) 13:00-14:00 |
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所要時間 | 講演60分+質疑応答 |
開催方式 | オンライン |
受講環境 | Microsoft Teams |
申込期限 | 2023年7月14日(金) 17:00 まで |
参加費用 | 無料 |
備考 |
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