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Linux Standard Base(LSB™)のインストール状態を確認する方法[6253]

最終更新日:2024年11月28日

【質問】

指定されたバージョンであるCOMSOL Multiphysics®6.2をLinux®マシンにインストールしたいと考えております。COMSOL Multiphysics®6.2のシステム要件*1を確認すると、「FlexNet® ライセンスマネージャー には Linux Standard Base (LSB™) が必要です。」と記載されています。このパッケージのインストール状態について確認する方法を教えてもらえないでしょうか。

図0.1

【回答】

ここでは下記を想定いたします。

想定

指定されたバージョンは 6.2 (Update3もしくはビルド415) です。

  • 以降、##の表記は当該バージョンである二けたの数値(例:62もしくは6.2)に読み替えてください。

参照先を引用します。LSB(Linux Standard Base)とは、「Linux®の各ディストリビューション(配布パッケージ)間の互換性や相互運用性を高めるため、一部の仕様の標準を定めた規格です。準拠ディストリビューション間では基本的に同じアプリケーションを修正・調整せずにそのまま動作させることができます」*2

ここでは、当該バージョンのCOMSOL Multiphysics®がサポートする主要なLinux®ディストリビューションごとにLSB™コアパッケージのインストール状態を確認する方法をご紹介いたします。

  1. Ubuntu22.04LTSの場合
  2. Rocky Linux8.8の場合
  3. CentOS7.9.2009の場合
  4. Debian12.6(cinnamon)の場合
  5. OpenSUSE Leap 15.5の場合

 

  1. Ubuntu22.04LTSの場合
    【1.1】LSBコアパッケージがインストールされていない場合の出力結果を示します。
    コマンド名:$ lsb_release -a
    出力結果:
    owner@cn20:~$ lsb_release -a
    No LSB modules are available.
    Distributor ID: Ubuntu
    Description: Ubuntu 22.04.3 LTS
    Release: 22.04
    Codename: jammy
    owner@cn20:~$

    図1.1

    【1.2】パッケージ管理用メタデータの更新を確認します。 
    コマンド名:$ sudo apt-get update

    図1.2

    【1.3】パッケージをインストールします。
    コマンド名:$ sudo apt-get upgrade

    図1.3

    【1.4】LSBコアパッケージをインストールします。
    コマンド名:$ sudo apt-get install lsb-core

    図1.4

    図1.5

    図1.6

    【1.5】LSBコアパッケージがインストールされている場合の出力結果を示します。
    コマンド名:$ lsb_release -a
    出力結果:
    owner@cn20:~$ lsb_release -a
    LSB Version: core-11.1.0ubuntu4-noarch:security-11.1.0ubuntu4-noarch
    Distributor ID: Ubuntu
    Description: Ubuntu 22.04.4 LTS
    Release: 22.04
    Codename: jammy
    owner@cn20:~$

    図1.7

  2. Rocky Linux8.8の場合
    【2.1】LSBコアパッケージがインストールされていない場合の出力結果を示します。
    コマンド名:$ lsb_release -a
    出力結果:
    [owner@cn19 ~] $ lsb_release -a
    bash: lsb_release: コマンドが見つかりませんでした. . .
    コマンド lsb_release' を提供するためにパッケージ ' redhat-lsb-core' をインストールしますか? [N/y] N

    [owner@cn19 ~] $

    図2.1

    【2.2】パッケージ管理用メタデータの更新を確認します。
    コマンド名:$ sudo dnf update

    図2.2

    図2.3

    図2.4

    【2.3】LSBコアパッケージをインストールします。
    コマンド名:$ sudo dnf install redhat-lsb

    図2.5

    図2.6

    図2.7

    【2.4】LSBコアパッケージがインストールされている場合の出力結果を示します。
    コマンド名:$ lsb_release -a
    出力結果:
    [owner@cn19 ~]$ lsb_release -a
    LSB Version: :core-4.1-amd64:core-4.1-noarch:cxx-4.1-amd64:cxx-4.1-noarch:desktop-4.1-amd64:desktop-4.1-noarch:languages-4.1-amd64:language-4.1-noarch:printing-4.1-amd64:printing-4.1-noarch
    Distributor ID: Rocky
    Release: Rocky Linux release 8.10 (Green Obsidian)
    [owner@cn19 ~]$

    図2.8

     

  3. CentOS7.9.2009の場合 
    CentOSは2024-06-30でサポートが終了したことに伴い、ミラーサイトが閉鎖されましたので、yumが正常に機能しませんが、代わりにCentOS Vault Mirror*3,*4を参照することで、暫定的にyumを使用できるため、一時的な動作検証を行ないました。【注意事項】CentOS Vault Mirrorは参照用および古いアーカイブ バージョンへのアクセスを提供するだけであって、このサーバーのツリーにセキュリティ更新が適用されない点にご注意ください。また、CentOS Vault Mirrorを参照する方法について、弊社はサポート致しかねますので、お問い合わせはご遠慮ください。【3.1】LSBコアパッケージがインストールされていない場合の出力結果を示します。
    コマンド名:$ lsb_release -a
    出力結果:
    [owner@cn24 ~]$ lsb_release -a
    bash: lsb_release: コマンドが見つかりませんでした...
    [owner@cn24 ~]$

    図3.1

     

    【3.2】LSBコアパッケージをインストールします。
    コマンド名:$ sudo yum install redhat-lsb

    図3.2

    図3.3

    図3.4

    【3.3】LSBコアパッケージがインストールされている場合の出力結果を示します。
    コマンド名:$ lsb_release -a
    出力結果:
    [owner@cn24 ~]$ lsb_release -a
    LSB Version: :core-4.1-amd64:core-4.1-noarch:cxx-4.1-amd64:cxx-4.1-noarch:desktop-4.1-amd64:desktop-4.1-noarch:languages-4.1-amd64:languages-4.1-noarch:printing-4.1-amd64:printing-4.1-noarch
    Distributor ID: CentOS
    Description: CentOS Linux release 7.9.2009 (Core)
    Release: 7.9.2009
    Codename: Core

    図3.5

     

  4. Debian12.6(cinnamon)の場合
    【4.1】 LSBコアパッケージがインストールされていない場合の出力結果を示します。
    コマンド名:$ lsb_release -a
    出力結果:
    owner@cn26:~$ lsb_release -a
    No LSB modules are available.
    Distributor ID: Debian
    Description: Debian GNU/Linux 12 (bookworm)
    Release: 12
    Codename: bookworm
    owner@cn26:~$

    図4.1

    【4.2】 LSBコアパッケージのインストールを試みますと、当該パッケージが使用できないといったメッセージが出力されます。
    コマンド名:$ sudo apt-get install lsb-core
    出力結果:
    owner@cn26:~$ sudo apt-get install lsb-core
    [sudo] owner のパスワード:
    パッケージリストを読み込んでいます... 完了
    依存関係ツリーを作成しています... 完了
    状態情報を読み取っています... 完了
    パッケージ lsb-core は使用できませんが、別のパッケージから参照されます。
    これは、パッケージが欠落しているか、廃止されたか、または別のソース
    からのみ利用可能であることを意味します。

    E: パッケージ lsb-coreにはインストール候補がありません
    owner@cn26:~$

    図4.2

    【4.3】 COMSOL Multiphysics®のシステム要件*1に記載されている内容を確認します。

    図4.3

    【4.4】 上記の内容に従い、LSBコアパッケージが配布レポジトリにない場合の代替方法を実行します。下記はIntel64およびAMD64アーキテクチャ用のコマンドとなります。
    コマンド名:$ sudo ln -s /lib64/ld-linux-x86-64.so.2 /lib64/ld-lsb-x86-64.so.3

    図4.4

    図4.5

    【4.5】 シンボリックリンクを設定した後、下記コマンドを実行した結果を示します。
    コマンド名:$ lsb_release -a
    出力結果:
    owner@cn26:~$ lsb_release -a
    No LSB modules are available.
    Distributor ID: Debian
    Description: Debian GNU/Linux 12 (bookworm)
    Release: 12
    Codename: bookworm
    owner@cn26:~$

    図4.6

    注意事項:Debianの場合、LSBコアパッケージはインストールしませんでしたが、シンボリックリンクを設定することによって、当該バージョンのCOMSOL Multiphysics®セットアップでCOMSOLライセンスマネージャーを正常にインストールすることができます。

  5. OpenSUSE Leap 15.5の場合
    【5.1】 LSB™コアパッケージがインストールされていない場合の出力結果を示します。
    コマンド名:> lsb_release -a
    出力結果:
    owner@localhost:~> lsb_release -a
    LSB Version: n/a
    Distributor ID: openSUSE
    Description: openSUSE Leap 15.5
    Release: 15.5
    Codename: n/a
    owner@localhost:~>

    図5.1

    【5.2】 パッケージ管理用メタデータの更新を確認します。
    コマンド名:> sudo zypper refresh

    図5.2

    【5.3】 LSBコアパッケージのインストールを確認します。
    コマンド名:> zypper se lsb
    出力結果:
    owner@localhost:~> zypper se lsb
    リポジトリのデータを読み込んでいます...
    インストール済みのパッケージを読み込んでいます…
    S | Name | Summary | Type
    --+-------------------------+------------------------------------+-----------
    | libXdgUtilsBaseDir1_0_1 | Shared library for xdg-utils-cxx | パッケージ
    | lsb | LSBの偽パッケージ | パッケージ
    i | lsb-release | Linux Standard Base リリースツール | パッケージ
    | perl-List-UtilsBy | 高レベルのリストユーティリティ関数 | パッケージ
    | python3-ec2utilsbase | Shared EC2 utils functionality | パッケージ
    owner@localhost:~>

    図5.3

    【5.4】 LSBコアパッケージをインストールします。
    コマンド名:> sudo zypper in lsb

    図5.4

    図5.5

    図5.6

    【5.5】 LSBコアパッケージがインストールされている場合の出力結果を示します。
    コマンド名:> lsb_release -a
    出力結果:
    owner@localhost:~> lsb_release -a
    LSB Version: core-2.0-noarch:core-3.2-noarch:core-4.0-noarch:core-2.0-x86_64:core-3.2-x86_64:core-4.0-x86_64:desktop-4.0.fake-amd64:desktop-4.0.fake-noarch:graphics-2.0-amd64:graphics-2.0-noarch:graphics-3.2-amd64:graphics-3.2-noarch:graphics-4.0.fake-amd64:graphics-4.0.fake-noarch
    Distributor ID: openSUSE
    Description: openSUSE Leap 15.5
    Release: 15.5
    Codename: n/a
    owner@localhost:~>

    図5.7

参照先

*1:”COMSOLMultiphysics® バージョン## システム要件”,Linux® 上のFlexNet®ライセンスマネージャー, https://www.comsol.jp/system-requirements
上記の##は指定されたバージョンの数値に読み替えてください。
*2:”IT用語辞典 e-Words”, LSB, https://e-words.jp/w/LSB-1.html
*3:”CentOS Vault Mirror”, https://vault.centos.org/
*4:”CentOS で yum が使えなくなった時の対処法 – 最終版”, https://qiita.com/mighty-n/items/edb02507d73aa7d8cd1b
COMSOL Support Knowldegebase: https://www.comsol.jp/support/knowledgebase/1199

 

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