
今回は京都大学 大学院工学研究科 電気工学専攻 特定准教授の寺尾 悠 先生を訪問しインタビューさせていただきました。
寺尾 悠 先生
2008年3月 山形大学 工学部 電気電子工学科 卒業
2010年3月 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 修士課程 修了
2013年3月 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 博士課程 修了 (博士(工学))
2012年4月-2013年3月 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
2013年4月-2015年12月 東芝三菱電機産業システム株式会社(現・株式会社TMEIC) 勤務
2016年1月-2025年3月 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 助教
2025年4月 京都大学 大学院工学研究科 電気工学専攻 特定准教授
現在に至る
【研究に対する思いと指向性】
・研究は自身の勉強した内容を武器にして、新しいものを創り出す、言い換えれば0→1を創り出すというのが非常に面白く感じます。
・勉強や経験を積むほどレベルアップして、それらを武器にさらに高度なことができるようになるので、ある意味RPGに近い面白さがあると思っています。
・電気機器学、超電導応用工学という分野は、歴史が長い一方でまだまだ新しい物理現象が山のように存在しているので、RPGでいえば新しいアイテムやモンスター(研究テーマ)がわんさか存在する「攻めがいのあるステージ」だと思っています。
【研究者を目指したきっかけ】
・技術分野への興味という点では、小学生時代に「アポロ13」を見たことがきっかけ。あるシーンで、宇宙船内の二酸化炭素濃度が上がって中毒になりかけたところを、NASAの技術者たちが宇宙船内にあるものだけを使用して、即席のフィルターを短時間で作って操縦士たちにレクチャーするシーンが一番印象に残り、それが現在でもよく覚えているきっかけの一つです。
・ミニ四駆やプラモデル(ガンダム、ゾイド、etc. …)が大好きで、子供のころに良く作っていたのもきっかけです。
・高校時代、浪人時代は成績が非常に悪く、模試の偏差値で理科は24、数学は200点中8点でした。しかし、予備校の物理や数学の授業は面白くて喰らいついていった結果、大学入学後は一気に成績が上がり、学部は首席で卒業しました。この時期に、自身で勉強する癖や、身につくことの楽しさを覚えました。
・もともと学生時代はそこまで研究が好きではなかったが、助教として東大でキャリアをスタートさせ、小さなところから始めてレベルアップし、少しずつ研究費や招待講演に呼ばれることで色々と自信がつきました。それ以降、できることが増えて、結果も出始めて楽しくなっています。
【今後の展望】
・どんな小さなものでもよいので、研究しているものが実用化されて世の中に投入されたらと思っています。
・技術者・研究者は年齢を重ねれば重ねるほど、スキルや経験値が上がっていくので、生涯何らかの技術的な仕事にかかわっていたいです。