PRODUCT SmartUQ
サロゲートモデルを活用した設計探索と最適化
サロゲートモデルによる最適化は、低次元の問題でも高次元の問題でもうまく機能します。SmartUQのソフトウェアは、様々な問題に対して最適な結果を得るために必要なシミュレーションの回数を最小限に抑え、バイナリや離散データ、複数の制約条件、多目的最適化など、多くの入出力タイプに対応しています。
SmartUQの統計的最適化は、実験計画法(DOE)、ベイズ最適化、適応的サンプリング、エミュレータを組み合わせることで、限られたシミュレーション・実験回数から有望な設計領域を効率的に探索します。ガウス過程モデルなどのサロゲートモデルを用いて、計算負荷の高いCAE解析や実験評価を近似し、設計空間全体の傾向と、最適点を含む可能性の高い領域の両方を段階的に把握します。
SmartUQは、低次元の設計問題だけでなく、高次元、多目的、複数制約、連続値・離散値・カテゴリ値が混在する問題にも対応します。単純にすべての組み合わせを評価するのではなく、初期DOEで設計空間を広く把握し、その後の反復サンプリングで、予測精度の向上や最適化に有効な点を追加していきます。並列バッチで複数の候補点を評価できるため、CAE計算資源や実験設備を効率的に活用し、最適化サイクルの短縮につなげることができます。
さらにSmartUQでは、最適点を見つけるだけでなく、同じエミュレータとシステム評価結果を用いて、最適化結果の解析や不確かさの定量化(UQ)を行えます。最適領域に対する入力パラメータの感度、最適点周辺のばらつき、制約条件違反のリスクを評価することで、単一条件での“最良点”ではなく、ばらつきや不確かさを考慮して実務で使いやすい設計条件を検討できます。
また、エミュレータを用いた高速なグローバル探索・ローカル探索に加え、遺伝的アルゴリズムなどの探索型最適化手法も活用できます。これにより、非線形性が強い問題、制約条件が多い問題、目的関数が複数ある問題に対しても、CAEや実験の実行回数を抑えながら、設計空間探索、最適化、UQ解析を一貫したワークフローで進めることができます。

図:エミュレーターに基づく統計的最適化におけるサンプリングパターンの概略図
不確かさを考慮した最適化(ロバスト最適化・信頼性ベースの最適化)
不確かさを考慮した最適化は、解析と不確かさの定量化(UQ)を最適化プロセスの中に直接組み込む手法です。システムの入力の一部、またはすべてに不確かさが含まれる場合、単一の条件に対して最も良い設計点を探すだけでは十分ではありません。実際には、入力条件のばらつきや使用環境の変動を考慮し、幅広い条件下で良好な性能を示す設計点を見つける必要があります。
最適設計点の周辺でシステムがどのように振る舞うかを確認しないまま最適化を行うと、一見よい結果に見えても、わずかなばらつきによって性能が大きく変化する不安定な最適解を選んでしまう可能性があります。最終製品には通常の製造ばらつきや使用条件の変動が含まれるため、こうした不安定な最適解は、実機で望ましくない挙動につながるリスクがあります。
たとえば、ジェットエンジンの効率を最適化する場合、実際のシステムに含まれる材料特性、製造寸法、運転条件の不確かさを考慮する必要があります。実際のエンジンには不確かさがあるため、理想的な最適設計点そのものではなく、その近傍の条件で運転される可能性が高くなります。最大効率を目指しながら、同時に排出ガス規制を満たすことを求める場合には、最適設計点の周辺でエンジンがどのように振る舞うかを理解することが重要です。これにより、設計入力に既知の不確かさが存在しても、エンジン効率が許容範囲を維持し、排出要件を逸脱しないことを確認できます。
SmartUQでは、不確かさを考慮した最適化に対して、主に3つのアプローチを提供しています。
確率的最適化(Stochastic Optimization) は、確率的に変動する入力や設計変数のばらつきを考慮しながら、目的関数の期待値を最適化する設計変数の中心値を求める手法です。
信頼性ベース最適化(Reliability-Based Optimization:RBO) は、確率的最適化を拡張し、最適点が要求条件を信頼性高く満たすように、確率的制約を加えて最適化を行う手法です。
ロバスト最適化(Robust Optimization) は、平均的な性能だけでなく、その結果の統計的性質も同時に最適化する手法です。たとえば、平均性能を高めながら、ばらつきを小さくすることを目的とします。
フィールド最適化
SmartUQには、関数応答エミュレーションや空間・時系列エミュレーションなど、応答値の分布全体を直接予測できる機械学習機能があります。これにより、単一のスカラー値だけでなく、温度分布、圧力分布、変位分布、濃度分布、時系列応答など、空間的または時間的に広がりを持つ応答を対象にした最適化が可能になります。
フィールド最適化では、応答分布全体に対して最適化条件を設定できます。たとえば、目標とする応答プロファイルに近づける、分布全体の応答値を同時に最大化または最小化する、あるいは応答値間のばらつきを抑えて分布を均一化するといった最適化を行うことができます。
これにより、単一点の最大値・最小値だけでは評価しにくい、面内均一性、温度むら、圧力損失、変形分布、流速分布、濃度分布などを考慮した設計判断が可能になります。CAEシミュレーションや実験で得られる分布応答をサロゲートモデル化することで、計算負荷の高い解析を繰り返すことなく、設計空間探索や最適化を効率的に実行できます。